フリーランスは未経験でもなれる?仕事15選と収入のリアル

未経験から始められるフリーランスの仕事15種類を、習得期間・単価・在宅可否で徹底比較。月20万円の手取り額、未経験可の案件の探し方、「やめたほうがいい」と言われる理由まで、判断に必要なリアルな情報をまとめました。在宅希望・女性・30代の方向けの選び方も解説します。
フリーランスは未経験でもなれる?結論と、知っておくべき現実
未経験からフリーランスになることは可能です。 実際、日本のフリーランス人口は1,303万人にのぼり、労働力人口の18.8%を占めています(ランサーズ「フリーランス実態調査 2024年」)。この中には、会社員時代とはまったく違う職種で独立した人も多く含まれています。
ただし、次の3つは事前に理解しておく必要があります。
① 「始められる」と「食べていける」は別の話
開業届を出せば、その日からフリーランスです。手続き上のハードルはほぼありません。難しいのは、継続して仕事を受注し、生活できる金額を稼ぎ続けることです。
② 最初の数ヶ月は、想像より稼げない
未経験者が最初に受けられる案件は、単価が低いものが中心です。加えて、納品から入金まで1〜2ヶ月のタイムラグがあります。「独立した月から月20万円」は、まず実現しません。
③ スキルなしのままでは続かない
未経験でも「始める」ことはできます。しかし、専門性を身につけないまま作業量だけを増やす働き方は、確実に消耗します。最初の3ヶ月で何らかのスキルを習得する前提で計画を立ててください。
未経験でもできるフリーランスの仕事15選【在宅可否・単価で比較】
「未経験でもできるフリーランスの仕事は?」への答えとして、現実的に目指せる15職種を挙げます。まずは一覧で確認してください。
| 職種 | 習得目安 | 初案件の単価目安 | 完全在宅 | 入りやすさ |
|---|---|---|---|---|
| Webライター | 1〜2ヶ月 | 文字単価0.5〜1.5円 | ◎ | ★★★★★ |
| SEOライター | 2〜3ヶ月 | 文字単価1〜3円 | ◎ | ★★★★☆ |
| 校正・リライト | 1ヶ月 | 1記事1,000〜3,000円 | ◎ | ★★★★☆ |
| 文字起こし | 2週間 | 1時間音声3,000〜6,000円 | ◎ | ★★★★★ |
| Webデザイナー | 3〜4ヶ月 | LP 5万円〜 | ○ | ★★★☆☆ |
| バナー制作 | 1〜2ヶ月 | 1枚3,000〜10,000円 | ◎ | ★★★★☆ |
| Canvaデザイン | 3週間〜1ヶ月 | 1点1,000〜5,000円 | ◎ | ★★★★★ |
| 動画編集 | 2〜3ヶ月 | 1本3,000〜15,000円 | ◎ | ★★★★☆ |
| ショート動画編集 | 1〜2ヶ月 | 1本1,500〜5,000円 | ◎ | ★★★★★ |
| SNS運用代行 | 2〜3ヶ月 | 月3〜10万円/社 | ○ | ★★★★☆ |
| インスタ運用代行 | 2〜3ヶ月 | 月3〜8万円/社 | ○ | ★★★★☆ |
| コーダー | 4〜6ヶ月 | 1件3万円〜 | ◎ | ★★☆☆☆ |
| WordPress構築 | 4〜6ヶ月 | 1件10万円〜 | ◎ | ★★☆☆☆ |
| オンライン秘書 | 2〜4週間 | 時給1,200〜1,800円 | ◎ | ★★★★☆ |
| 事務代行・データ入力 | 2週間 | 時給900〜1,500円 | ◎ | ★★★★★ |
※単価は一般的な相場感の目安です。案件内容やクライアントによって変動します。
以下、系統ごとに解説します。
文章・言語系
Webライター
記事や広告文を執筆する仕事です。パソコンとネット環境だけで始められ、初期費用がほぼかからないのが最大の利点です。その分、参入者が多く低単価案件も大量にあります。抜け出す鍵は、SEOの知識と専門分野の掛け合わせです。
SEOライター
検索上位を狙う記事を書く仕事。キーワード選定や構成作成まで担えると、文字単価3円以上の案件も見えてきます。ライターからのステップアップ先として最も現実的です。
校正・リライト
既存記事の誤字脱字チェックや、読みやすさの改善を行います。ゼロから書く必要がないため、ライティングの入口としてハードルが低い仕事です。
文字起こし
インタビューや会議の音声を文字にします。習得期間は最短で、パソコンのタイピングができれば始められます。ただし単価は低く、あくまで「フリーランスとして働く感覚をつかむ」ための入口と位置づけてください。
デザイン系
Webデザイナー
LP(ランディングページ)やWebサイトのデザインを制作します。習得に時間はかかりますが、単価は高め。「きれいに作れる」だけでは伸びず、「なぜこの配置なのか」を説明できるかどうかで単価が変わります。
バナー制作
広告用のバナー画像を作る仕事。サイト全体を作るより工数が小さく、未経験者がデザイン系に入る際の定番ルートです。数をこなして実績を積みやすいのも利点です。
Canvaデザイン
Canvaを使ったSNS投稿画像、資料、チラシなどの制作。Photoshopなどの有料ソフトが不要で、習得期間は3週間程度と最短クラスです。単価は低めですが、SNS運用代行と組み合わせると強くなります。
映像・SNS系
動画編集
YouTube動画のカット編集、テロップ入れ、BGM挿入など。手順が明確で成果が見えやすく、未経験者に人気です。単純なカット編集は競合が多いため、サムネイル制作や企画構成まで担えると単価が数倍変わります。
ショート動画編集
TikTok、YouTubeショート、Instagramリール向けの短尺編集。1本あたりの作業時間が短く、数をこなして実績を積みやすいのが特徴。需要も伸びています。
SNS運用代行
企業や店舗のSNSアカウントを代わりに運用します。月額契約になりやすく、収入が安定しやすいのが最大の魅力。1社あたり月3〜10万円で、3社担当すれば月20万円前後になります。自分のアカウント運用実績がそのままポートフォリオになる点も有利です。
インスタグラム運用代行
SNS運用の中でもInstagramに特化したもの。飲食店、美容室、サロンなど、実店舗からの需要が安定しています。
Web制作・技術系
コーダー
デザインデータをHTML/CSSでWebページとして形にする仕事。学習量は多めですが、技術職のため単価が安定して高く、案件数も豊富です。
WordPress構築
WordPressでのサイト構築やカスタマイズ。中小企業や個人事業主からの需要が継続的にあり、保守契約につながれば安定収入になります。
サポート・事務系
オンライン秘書
日程調整、メール対応、資料作成などをオンラインで代行します。事務職の経験があればほぼそのまま活かせるのが強みです。
事務代行・データ入力
データ入力、経費精算、リスト作成など。習得期間は最短ですが、時給換算では低くなりがちです。
【注意】「未経験でもすぐ稼げる」仕事の見分け方
次のような案件には注意してください。
- 極端に単価が低いデータ入力(時給換算で数百円になるもの)
- 「初期費用を払えば稼げる仕事を紹介する」という商材
- 実態が転売やアフィリエイトの勧誘であるもの
- 業務内容が具体的に書かれていない「誰でもできる高収入」案件
判断基準はシンプルです。作業時間で割ったときの時給を計算してください。 最低賃金を下回るなら、それは仕事ではなく練習です。練習と割り切るなら構いませんが、続ける仕事ではありません。
未経験から特に始めやすい職種ランキングTOP5
「習得期間の短さ」「案件数の多さ」「在宅完結度」の3点で評価し、ランキング化しました。
1位|Webライター
習得期間 ★★★★★/案件数 ★★★★★/在宅完結 ★★★★★
初期費用ゼロ、必要なのはパソコンだけ。クラウドソーシング上の案件数も最多クラスで、「今日応募して今週から始める」ことが現実的に可能な唯一の職種です。単価の低さが弱点ですが、SEOと専門分野を身につければ十分に伸ばせます。
2位|動画編集
習得期間 ★★★★☆/案件数 ★★★★★/在宅完結 ★★★★★
学習の手順が明確で、独学でも進めやすい職種。YouTubeやショート動画の需要が継続的にあり、案件は豊富です。作業が単調でも苦にならない人に向いています。
3位|SNS運用代行
習得期間 ★★★★☆/案件数 ★★★☆☆/在宅完結 ★★★★☆
月額契約が主流で、収入の安定性が最も高い職種。自分のアカウントを運用した実績がそのまま提案材料になるため、未経験でも「実績ゼロ」の状態を作らずに済みます。
4位|バナー制作・Canvaデザイン
習得期間 ★★★★☆/案件数 ★★★★☆/在宅完結 ★★★★★
デザイン系の中では習得が最短。Canvaなら有料ソフトも不要です。1件あたりの単価は低めですが、数をこなして実績を作り、Webデザインへステップアップする流れが作れます。
5位|オンライン秘書・事務代行
習得期間 ★★★★★/案件数 ★★★☆☆/在宅完結 ★★★★★
前職の事務経験がそのまま活きるため、学習期間がほぼ不要な人もいます。単価の伸びには限界がありますが、「まずフリーランスとして働いてみる」入口として優秀です。
未経験フリーランスのリアルな収入|月20万円の手取りはいくら?
ここが最も気になる部分だと思います。売上と手取りは、まったく別の数字です。
職種別・未経験1年目の収入目安
| 職種 | 半年後の月収目安 | 1年後の月収目安 |
|---|---|---|
| Webライター | 3〜8万円 | 10〜20万円 |
| 動画編集 | 3〜10万円 | 10〜25万円 |
| SNS運用代行 | 5〜10万円 | 15〜30万円 |
| Webデザイナー | 3〜8万円 | 15〜30万円 |
| コーダー | 5〜10万円 | 20〜35万円 |
| 事務代行 | 3〜6万円 | 8〜15万円 |
※あくまで目安です。稼働時間や営業量によって大きく変わります。
月20万円を売り上げたときの手取り
年間売上240万円(月20万円)、経費を年30万円と仮定した場合の概算です。
| 項目 | 年間の概算額 |
|---|---|
| 売上 | 240万円 |
| 経費 | −30万円 |
| 国民年金 | −21.5万円 |
| 国民健康保険 | −15〜20万円 |
| 所得税 | −約1万円 |
| 住民税 | −約5万円 |
| 手取り | 約165〜170万円(月13〜14万円) |
月20万円を売り上げても、自由に使えるお金は月13〜14万円程度です。
※国民年金保険料は2026年度で月17,920円(年215,040円)。国民健康保険料は自治体により大きく異なります。税額も経費や控除の状況で変わるため、正確な計算は税務署または税理士にご確認ください。
会社員の月給20万円と、何が違うのか
会社員が月給20万円の場合、手取りは16万円前後です。フリーランスのほうが2〜3万円少なくなります。
理由は、社会保険料の会社負担がなくなるからです。会社員時代は健康保険料と厚生年金保険料の半分を会社が払っていました。その分がまるごと自己負担に変わります。
つまり、会社員時代と同じ生活水準を保つには、額面で1.2〜1.3倍の売上が必要という計算になります。月給25万円の会社員なら、フリーランスでは月30万円前後を目指す必要があるということです。
手取りを増やす3つの方法
- 経費を漏れなく計上する — パソコン、通信費、書籍代、自宅家賃の按分など
- 青色申告特別控除(最大65万円)を使う — 開業届と青色申告承認申請書の提出が必要
- 小規模企業共済やiDeCoを活用する — 掛金が全額所得控除の対象になる
開業初日から領収書を保管し、会計ソフトで記帳する習慣をつけてください。 これだけで手取りは年間数万円〜十数万円変わります。
「フリーランスはやめたほうがいい」は本当?向いていない人の特徴
検索すると必ず出てくる意見です。全員に当てはまるわけではありませんが、向き不向きは確実にあります。
やめたほうがいい人の5つの特徴
① 収入が不安定な状態に強いストレスを感じる
毎月の収入額が読めない状況が続きます。金額の多寡より、「読めないこと」自体がつらい人には向きません。
② 自分でスケジュールを組んで守れない
誰も管理してくれません。締め切りの前日に慌てる働き方が常態化すると、品質が落ちて継続契約を失います。
③ 営業活動に強い抵抗がある
仕事は待っていても来ません。提案文を書き、断られ、また書く。この繰り返しに耐えられるかが分かれ目です。
④ 事務作業をすべて後回しにしてしまう
請求書の発行、入金確認、経費の記録、確定申告。これらを放置すると、収入があっても手元に残りません。
⑤ 相談できる相手を作る気がない
独学・独力にこだわりすぎる人ほど、途中で折れます。技術は検索で学べても、「この条件は受けるべきか」という判断は経験者にしか聞けません。
向いている人の5つの特徴
- 自分で決めて自分で動くほうが気が楽な人
- 断られても引きずらない人
- 学び続けることを苦にしない人
- 収入の波を貯蓄でならせる人
- 前職の経験や知識を掛け合わせられる人
いきなりフリーランスになるのは可能?
制度上は可能ですが、強くおすすめしません。
会社を辞めてから学習を始めると、次のような悪循環に入りやすくなります。
貯金が減る → 焦る → 単価の安い案件を受ける → 時間を取られる → スキルを伸ばす余裕がなくなる → いつまでも単価が上がらない
推奨は、会社員のうちに副業として月5万円を稼げる状態を作ってから独立することです。 収入がある状態なら、安すぎる案件を断る余裕が生まれます。
未経験可の案件はどこで探す?5つの入手経路
スキルを身につけても、案件が取れなければ収入は生まれません。経路ごとの特徴を比較します。
| 経路 | 単価 | 獲得しやすさ | 手数料 | 向いている段階 |
|---|---|---|---|---|
| クラウドソーシング | 低 | ★★★★★ | 5〜20% | 最初の1〜5件 |
| SNS・X | 中〜高 | ★★★☆☆ | なし | 実績5件以降 |
| 求人サイト | 中 | ★★★★☆ | なし | 全段階 |
| エージェント | 高 | ★☆☆☆☆ | 20〜30% | 実務経験1年以降 |
| 知人・前職のツテ | 中〜高 | ★★★★☆ | なし | 全段階 |
① クラウドソーシング
クラウドワークス、ランサーズ、ココナラなど。実績ゼロでも応募でき、契約・入金の仕組みが整っているため、最初の1件にはここが最も現実的です。
未経験者のコツ
- 応募は「数」より「質」。1件に15分かけて個別の提案文を書く
- プロフィールを埋め切る(顔写真、経歴、対応可能時間、ポートフォリオリンク)
- 最初の3件は評価獲得を優先し、丁寧に納品する
ただし、実績が5件たまったら次の経路へ移ってください。 ここに留まり続けると単価が上がりません。
② SNS・X
学習過程と制作物を発信し続けると、DMで依頼が届くようになります。手数料がかからず、単価もクラウドソーシングより高くなりやすい経路です。
発注側(経営者・個人事業主)をフォローすること、固定ポストに対応範囲と料金の目安を明記することがポイントです。
③ 求人サイトで業務委託を探す
Indeed、求人ボックス、スタンバイなどで「業務委託」「フリーランス」と検索すると、企業が直接募集している案件が見つかります。手数料がかからず、条件も明確なのが利点です。
見落とされがちですが、実は狙い目の経路です。
④ フリーランスエージェント
案件紹介から契約・請求までを代行してくれるサービスです。ただし多くは実務経験1〜3年以上を条件としており、完全な未経験者が登録しても案件を紹介されにくいのが実情です。
まずは他の経路で実績を作り、実務経験1年を超えたタイミングで登録するのが現実的な使い方です。
⑤ 知人・前職のツテ
未経験者が最も高い確率で受注できる経路です。信頼関係が既にあるため、実績を求められません。
「Webサイトを作れるようになったので、もし困りごとがあれば声をかけてください」と伝えておくだけで十分です。前職の取引先や、個人事業をしている友人が有力候補になります。
【実例】未経験からフリーランスになった2人の記録
ケース1|営業職から動画編集へ(30代男性・会社員)
- 1〜3ヶ月目:在職中に動画編集を学習。平日夜2時間、週末4時間
- 4ヶ月目:クラウドソーシングで初受注。1本3,000円
- 6ヶ月目:副業収入 月4万円。単価は1本5,000円に
- 9ヶ月目:サムネイル制作もセットで受注し、1本12,000円へ。月収12万円
- 12ヶ月目:継続契約2社を確保し、月収22万円になった時点で独立
本人の言葉:「4ヶ月目の初受注まで、正直やめようかと思いました。単価も安くて、時給換算したら500円くらい。抜け出せたのは、編集だけでなくサムネイルと構成まで引き受けるようにしてからです」
ケース2|パート勤務からSNS運用代行へ(30代女性・子育て中)
- 1〜2ヶ月目:自分のInstagramアカウントを運用しながら学習。1日1.5時間
- 3ヶ月目:知人の飲食店の運用を月1.5万円で受託
- 5ヶ月目:その実績をもとにSNSで営業。2社目を月4万円で獲得
- 8ヶ月目:3社担当で月10万円
- 12ヶ月目:5社担当、月収18万円。パートを辞めて専業に
本人の言葉:「最初の1件を知人からもらえたのが大きかったです。実績が1つあるだけで、提案の通り方がまったく変わりました」
2人に共通していたこと
- 会社員・パートを続けながら始めた(収入ゼロの期間を作らなかった)
- 単価を上げるために、対応範囲を広げた(編集+サムネイル、運用+撮影)
- 最初の1件を、単価ではなく「実績になるか」で選んだ
タイプ別|あなたはどこから始めるべき?
在宅で完結させたい人
15職種はすべて在宅可能ですが、打ち合わせの頻度には差があります。
- 打ち合わせが少ない:Webライター、動画編集、コーダー、文字起こし
- 定例ミーティングが発生しやすい:SNS運用代行、Webデザイン
対面を避けたいなら前者から。ただしオンライン会議に対応できるようにしておくと、受けられる案件の幅と単価は明確に上がります。
子育て中・女性の場合
まとまった時間が取りにくい環境では、「中断しやすい仕事」を選ぶことが継続の条件です。ライティング、SNS運用、Canvaデザイン、事務代行は作業を細かく区切りやすく、隙間時間と相性が良い職種です。
契約時に稼働可能時間と連絡可能時間を最初に明示することも重要です。「平日10〜15時に対応、返信は原則24時間以内」と先に伝えておけば、無理な依頼を防げます。
30代・40代から始める場合
年齢は不利になりません。フリーランスの案件は「何歳か」ではなく「何ができるか」で判断されるためです。むしろ社会人経験の長さは強みになります。
- ビジネスマナー、報連相、納期管理の基礎ができている
- 前職の業界知識を専門性として掛け合わせられる
- 顧客側の事情を理解した提案ができる
ポートフォリオには制作物だけでなく、「前職で何を担当し、どんな課題を解決したか」も併記してください。20代にはない差別化要素になります。
会社員が副業から始める場合
最も推奨するルートです。
- 就業規則で副業の可否を確認する
- 平日夜2時間+週末4時間を確保する
- 副業収入が年20万円を超えたら確定申告が必要(20万円以下でも住民税の申告が必要な場合があります)
- 副業収入が生活費の6〜7割に達したら独立を検討する
未経験からフリーランスになるまでの流れ(3ステップ)
大まかな流れは次の通りです。
STEP1|職種を1つに決める
複数を同時に学ぶのは、未経験者が最も失敗しやすいパターンです。まず1つに絞り、案件を取れるレベルまで到達させます。掛け算は、1つ目が形になってからで十分間に合います。
STEP2|3ヶ月で基礎スキルを身につける
インプットとアウトプットは3:7。完璧を目指さず、学習期間の締め切りを先に決めてください。期限のない学習は際限なく延びます。
STEP3|会社員のうちに副業で初案件を取る
目標は「月5万円を3ヶ月連続で達成する」こと。これができれば、独立後に月20万円へ伸ばす道筋が具体的に見えます。
未経験のうちに知っておきたい3つのこと
① 契約書は必ず交わす
2024年11月1日に施行されたフリーランス新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)により、フリーランスに発注する事業者には次の義務が課されています。
- 業務内容・報酬額・支払期日などの取引条件を書面等で明示する義務
- 発注した物を受け取った日から60日以内に報酬を支払う義務
- 募集情報を正確に表示する義務
- ハラスメント対策のための体制整備
つまり、「契約書を出してもらえますか」と依頼するのは、法律上まったく正当な要求です。最低限、業務範囲・報酬額・納期・修正回数・支払期日を文面に残してください。条件が曖昧なまま作業を始めることが、トラブルの最大の原因です。
② 安売りから抜け出す方法
単価を上げる手段は、大きく3つです。
- 既存クライアントに値上げを打診する(実績と成果を示したうえで)
- 対応範囲を広げる(執筆だけ→構成・入稿まで/編集だけ→企画・サムネイルまで)
- 月額の継続契約に切り替える
新規開拓より、既存クライアントとの単価交渉のほうが成功率は高くなります。
③ スキルの掛け算が生き残りの条件
「デザインだけ」「ライティングだけ」ができる人は大勢います。しかし「SEOが分かるライター」「マーケティングを理解している動画編集者」となると、途端に希少性が上がります。
フリーランス人口が1,300万人を超えた今、単一スキルでの差別化は年々難しくなっています。1つ目のスキルで案件が取れるようになったら、次を足す。 これが単価を上げ続けるための基本戦略です。
よくある質問
Q. フリーランスはやめたほうがいいですか?
A. 向き不向きがはっきり分かれる働き方です。収入の変動に耐えられる、自分でスケジュールを管理できる、営業活動に抵抗がない、という3点に当てはまるなら向いています。逆に安定を最優先するなら、会社員として働きながら副業で試すほうが現実的です。
Q. フリーランスで月20万の手取りはいくらですか?
A. 経費や自治体によりますが、概算で月13〜14万円程度です。国民年金・国民健康保険が全額自己負担になるため、会社員の月給20万円(手取り約16万円)より少なくなります。経費計上と青色申告特別控除の活用で、手取りは改善できます。
Q. フリーランスになりやすい職業は?
A. パソコンとインターネットだけで完結し、成果物で評価される職種です。Webライター、動画編集、SNS運用代行、Webデザイナー、コーダーなどが該当します。設備や資格、対面が必須の職種は独立のハードルが高くなります。
Q. いきなりフリーランスになれますか?
A. 手続き上は可能ですが、推奨しません。収入がない状態では焦りから低単価案件を受けがちで、消耗しやすいためです。会社員のうちに副業で月5万円を稼げる状態を作ってから独立するのが、最も再現性の高い進め方です。
Q. 未経験でもフリーランスエージェントに登録できますか?
A. 多くのエージェントは実務経験1〜3年以上を条件としているため、完全な未経験での登録は難しいのが実情です。まずはクラウドソーシングやSNSで実績を積み、実務経験1年を目安に登録を検討してください。
Q. 女性が未経験から始めやすい仕事は?
A. 作業を中断しやすいライティング、SNS運用代行、Canvaデザイン、事務代行が、家庭と両立しやすい職種です。詳しくは「女性におすすめのフリーランスの仕事16選」をご覧ください。
Q. 資格は必要ですか?
A. Web系の職種で必須の資格はほとんどありません。クライアントが見るのは資格ではなくポートフォリオと実績です。資格取得に3ヶ月かけるより、その時間で制作物を3つ作るほうが受注につながります。
まとめ|未経験でもできる仕事はある。あとは「どれを選ぶか」
この記事の要点を整理します。
- 未経験から始められる仕事は15種類以上ある。 ただし、すべてが稼げるわけではなく、時給換算での判断が必要
- 月20万円の売上でも、手取りは月13〜14万円程度。 会社員と同じ生活水準には、額面で1.2〜1.3倍の売上が必要
- 最初の1件はクラウドソーシングか知人経由が現実的。 実績が5件たまったら、SNSや直接取引へ移行して単価を上げる
そして、紹介した2人の実例に共通していたのは、会社員・パートを続けたまま始めたという点でした。収入ゼロの期間を作らないこと。これが未経験からの独立で最も再現性の高い進め方です。
今日できることを1つ挙げるなら、気になった職種のツールを無料で触ってみることです。 Canvaでバナーを1枚作る、Wordで記事を1本書いてみる。それだけで、向き不向きの手触りは驚くほど分かります。
